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借入金の表面利率の低さを自慢してはいけない ~実質金利を考えないと金利が高く~

我が国も日銀の金融緩和政策が終焉を迎え、金利が徐々に上がっていく可能性が出て参りました。

経営者の方とお話をしていると、うちは金利0.5%で借入金を借りている等のお話をよくお聞きします。その金利は、ほとんどが表面金利のお話かと存じます。その際、私は実質金利という考え方はご存知ないかと聞くようにしています。

そこで、今月は【銀行が資金を貸す基準】と【実質金利の考え方】についてお伝えしたいと思います。

まず、銀行が資金を貸す基準は支店長との人間的付き合いの度合いではなく、「自己資本比率」と

「キャッシュフロー高」です。

借りられるからといって現預金を多めに積むと、

・自己資本比率が下がる

・有利子負債返済期間が延びる

・ギヤリング比率(自己資本高に対する有利子負債率)が上がる

・実質金利率が上がる

ということになります。

 

実質金利率= (支払利息割引料-受取利息) ÷ (有利子負債-現預金額)

 

《例》 支払利息割引料 1,350,000円(借入金 300,000,000円の0.45%)

受取利息    実質 0円

有利子負債   300,000,000円

同一銀行・同一支店

現預金額    200,000,000円

さて、この時の実質金利の答えは、なんと 1.35% です!

預貸率が高く、多くの現預金が拘束されていると実質金利率が跳ね上がります。

いざという時のために「当座借越」という制度があるのです。当座預金口座を持たずとも当座借越契約が

できる時代を迎えているのです。

経営者の方は表面利率だけで判断しがちですが、収益を高めるため、資金を貸す側の銀行の頭の中には

「如何に現預金・定期預金を積ませるか」ということがあるかと思います。このため、結果的にはある程度

高い金利を銀行に支払っていることを知っておいてください。

銀行の利益の源泉は各種金融商品の販売手数料や振込手数料ですので、銀行に言われるがまま協力していると経費は増えてしまいます。なお、振込手数料も減免措置で安くすることが可能です。

 

応援しています。

 

令和5年8月吉日

有限会社エフピーマネジメント 代表取締役 大友 一夫

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