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役員退職慰労金の考え方 ~常識にとらわれ少なくしていませんか?~

 

今回は、私が考える役員退職慰労金の支給額について、皆様と考えていきたいと思います。

 

まず、役員退職慰労金を支給するにあたり、絶対に不可欠なのが株主総会決議です。

この株主総会決議の議事録が無いと、支給した役員退職慰労金は100%税務調査で全額が否認されます

(マスト要件)。

次に、支給する金額の算出方法ですが、一般的(多くの税理士のアドバイス)には最終役員報酬月額と

役員在任年数並びに功績倍率で算出することが多く、規程もそのように作成されるのが普通だと思います。

ではここで、上記の算出方法のモデルケースを以下に示します。

 

  • 一般的な役員退職慰労金額の算出方法(モデルケース)

最終報酬月額 × 在任年数 × 功績倍率

100万円    ×   30年   × 3倍(代表取締役) = 9,000万円

 

9,000万円と算出されましたが、これに代表取締役は大いに不満です。本音は3億円ほど欲しいと

思っています。これを税理士に相談したところ、当然に過大(2億円)なので税務で認められませんという返答が返ってきます。ここで多くの社長様たちは「そんなものか」と諦めてしまいます。実にもったいないですね。

退職金というものは毎年出せるものではなく、生涯に一度という方が多いでしょう。では、私が社長様から

相談を受けたらどのようにお答えするかというと、「3億円受け取って下さい」とお伝えします。ただし、

3億円を出しても法人の運転資金等に影響がない事が大前提となることをお含み置きください。

 

それでは、仮に3億円を退職金として法人が支出し、税務調査で2億円が過大という事で否認されたとします(ここで否認されない又は否認額を減少させること出来るかは税理士先生の腕次第でしょう)。

《会社側》

3億円のうち、約1億円は退職金として損金、残り2億円は役員賞与として損金算入は不可

2億円 × 30% = 約6,000万円の法人税等の支払い

《社長側》

3億円 全額を役員退職慰労金として受領し、分離課税・1/2・退職控除の恩恵を受けることが出来ますので、約2億3千万円の手残りとなります。

その後、この2億3千万円から金利3~5%で退職した法人へ1億円くらい貸し付けても良いかと思います。

是非、憶えておいてくださいね。

 

応援しています。

 

令和5年7月吉日

有限会社エフピーマネジメント 代表取締役 大友 一夫

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