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銀行融資診断士Ⓡから見た、銀行を取り巻く環境①

皆様 本年もどうぞよろしくお付き合いの程、お願い申し上げます。

本年は令和5年4月から銀行融資を受ける際の「個人の連帯保証に対する銀行による証明義務開始」のお話から始めたいと思います。

連帯保証をしている皆様は、この義務化により連帯保証が外しやすくなるとお思いではないでしょうか。結論を申し上げると、今までと銀行の態度は何ら変わりません。

なぜならば、銀行には「融資の五原則」というものがあるからです。

今月から3回程に分けて、この「融資の五原則」について書きたいと思います。

今回はその「融資の五原則」のまず一番目、「安全性の原則」について書いてまいります。

「安全性の原則」とは、預金者保護のためにも、融資した資金は確実に回収できるものでなければならないとする原則です。

具体的には、➀企業の安全性、②資金使途の妥当性、③返済財源の確実性、④担保力 から構成されています。「安全性の原則」は基本原則の中でも最も大切な原則と言われており、他の原則に問題がないとしても、この原則が満たされていなければ、融資は行ってはならないとされています。

まず、企業の業績が良好であることが最低条件になります。

この業績が良好であることを示す最低条件は次の通りです。

Ⓐ 売上高経常利益率が3%以上

Ⓑ インタレスト・カバレッジ・レシオ3倍以上

Ⓒ 債務償還年数、非製造業7年以内、製造業(建設業含む)10年以内

Ⓓ 総資本経常利益率3%以上

 

◎以下、絶対条件(2項目)

Ⓔ 自己資本比率 30%以上(ただし、製造業25%以上・非製造業30%以上)

Ⓕ 借入月商倍率(運転資金)コロナ前分2ヶ月、コロナ禍以後2ヶ月 合計4か月以内

 

以上 6項目を満たしていると、新規(追加)融資の話しに応じてくる可能性が高くなると思います。

ぜひ、御社もこれらの項目を満たしているか否かを計算してみて下さい。

そして否の場合は、新規(追加)融資の判断は厳しくならざるを得ないと思いますので、早急に改善策を打っていただく必要があると思います。

 

追伸:営業利益の赤字は、減価償却の増加によるものか?他の要因があるのか?他の要因がある場合は、早急に手を打たなければならない事を肝に銘じて下さい。

応援しています。

 

令和5年1月吉日

有限会社エフピーマネジメント 代表取締役 大友 一夫

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