今月は、2月に第一回目の訪問をさせていただいた、財務体質がバツグンの企業のお話をさせていただきたいと思います。
この企業様は私の顧客である兵庫県姫路市在住の会長様よりご紹介していただいた先になります。
60代前半の社長様からの相談内容は、「保有している自社株が高くなっているのが、将来(相続)心配だ」というものでした。
訪問するにあたり、自社株の御相談であれば“3期分の貸借対照表(以下BSと損益計算書(以下PLを最低でも御用意していただきたい旨をご依頼したとところ、快く承諾していただき、早速決算書を拝見致しました。まずその法人様のBS・PLの概略をお話しさせていただきます。※数字は特定されない為、少々加工しています。
まず、直近のBSですが、当座資産38億円のうち、現預金が36億円、総資産に占める当座比率は70%以上、現預金残高の月商月数は9ヶ月分もありました。次に固定資産を見たら、減価償却が出来ない土地は0円、全て建物等の償却資産だけなので、償却費が計上できる資産しかありません。
自社ビルでしたが、土地は賃貸であり、土地は絶対に買わないと決めているとのことでした。
借入金は短期借入金8億円、長期借入金12億円、借入金合計20億円ですので、実質無借金経営をされている状態です。
その他に投資その他の資産勘定で、保険の解約金が8億円あります。そしてこのコロナ禍でも毎年現預金が年1億円以上増えています。
私もいろいろな優良企業の決算書を拝見してきましたが、この様なBSを拝見することは稀ですので大変感動いたしました。
そして、最後の質問で、「社長様、税引き前当期利益を毎年4億円以上計上していますが、何かこだわりがあるのですか」と聞いたところ、「4億円のうち1.3億円は税金支払い。残り2.7億円のうち1億円は内部留保、残り1.7億円は長期借入金の返済に充てる」と明確な返答が返ってきました。
なお、短期借入金は返済しない・借りたままにしているとの事でした。
そこで、「それは保険契約による損金等を織り込んで計算をしているのですね」と質問すると、「当然織り込んでいる。保険契約は損金による節税という考えだけではなく、簿外にためておき、万が一の時に活用するためにおこなっている」との返答があり、「まったく私も同感です」とお伝えしました。
最後に当然ながら自社株の評価は天文学的な金額の為、次回対策を御提案する事になりました。
今回のニュースレターが皆様の今後の経営に役立ちましたら幸いでございます。
応援しています。