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ー決算期はその月で本当に良いのか?―

先日、私の顧客の社長様から相談がありました。その内容は「決算期を変えたいが、いつにしたら良いのだろうか?」という事でした。

もちろん「顧問の税理士に相談されたのですか」と聞いた所、「相談したが、これという回答がなかったので、大友さんに連絡した」との事でした。もちろん私は税理士ではないので、はっきりした事は言えないと答えましたが、どうしてもという事でしたので一般論としてのアドバイスをさせていただきました。

その内容は後で書くとしまして、一般的な決算期と税務調査に来る関係をお話しさせていただきます。

税務調査(法人の場合)には、前期・後期とあります。御社の決算期で税務調査に来る時期は変わります(通常調査の場合)。当然、脱税による強制調査に時期は関係ありません。あくまでも通常調査の場合です。

➀ 決算期が2月~5月の4ヶ月に入っている場合、通常調査に来るのは、当年の7月~12月となります。決算期が6月~翌年1月の8ヶ月に入っている場合、通常調査に来るのは、翌年の1月~6月までとなります。なぜこうなるかというと、税務官の人事異動が毎年7月10日前後となっているからです。
そして、税務調査の厳しさは、7月~12月に来る方が厳しいと言われています。
なぜかというと、人事異動が終わり、各税務官の人事評価も12月までの実績で決まると言われているからです。翌年の1月~6月の税務調査は、2月~3月中旬まで所得税の確定申告等があり、調査に行ける月数も少なくなり、最低のノルマの達成(ノルマは無いと言われていますが)のため件数をこなしていくのが主目的になると言われています。ましてお尻が決まっている(6月)ので、それまでに決着しないといけないプレッシャーが税務官にあると言われており、決着をつける為の交渉がしやすいと一般的に言われています。

② それから決算月は、一番売上・利益が上がる月を期首にすると良いという考え方もあります。
一年で、一番売上・利益が上がる月が、期首であれば一年かけてじっくりと節税対策等の手が打てるからです。

そして最初のご相談があった社長様へのアドバイスですが、この法人様は11月決算、そして一番売り上げ・利益が上がるのが毎年3月であるので、今回12月~1月の2ヶ月決算を行い、決算期を1月末にしたらいかがでしょうかとアドバイスいたしました。その理由は前述した➀・②からです。

ちなみに私も2社法人を持っていますが、2社とも1月決算です。

追伸 最近の情報だと来年10月のインボイス制度開始に向けて、消費税の調査に力を入れているようです。決算期も社長様が決定する重要な財務戦略の一つです。顧問税理士と相談の上、御社にとって一番ふさわしい決算期を選択して下さい。

応援しています。

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