オーナー経営者・資産家のためのお役立ち情報

安定した経営権を確保し、事業承継したい経営者様へ ~少数株主は大きなリスク~

 

どんなカリスマ経営者でも必ず最期の時は訪れますが、法人は基本的に「認知症」にもならず、ある意味

「死なない」存在です。この点を利用すると、スムーズな経営権の承継を半永久的に持続することも可能と

なります。

まず、必ず老いて死を迎える人間の代わりに、ある程度の規模の会社であれば持株会社や資産管理会社を

活用することが考えられます。法人は亡くならないため、人間が直接その事業会社の大株主になるよりも

望ましいと言えます。

また、その持株会社・資産管理会社の株式をどういった形態で所有すべきかという問題もあります。

そこで、サントリーにおける法人と非営利団体を活用した経営権承継の方法をご紹介したいと思います。

サントリーHDの親会社は「寿不動産」という資産管理会社です。

まず、サントリーHDの株主と保有率は次の通りです。

2022年12月現在 寿不動産:89.5% サントリー持株会:5.01% 三菱UFJ銀行:1.0% 三井住友銀行:1.0% 三井住友信託銀行:1.0% 日本生命保険:1.0% サントリー生命科学財団:0.52% 佐治信忠:0.09% 鳥居信吾:0.07% 鳥居信宏:0.02% 新浪剛史:0.02% 仙波匠:0.02% 以上となります。

 

では、サントリーHDの圧倒的大株主である寿不動産の株主状況はどうなっているのかは次の通りと

なります。

公益財団法人サントリー芸術財団:13.81% 公益財団法人サントリー文化財団:9.21% 佐治信忠:4.97%

鳥居信吾:4.97% 鳥居信宏:4.84% その他15名の個人が保有

 

株式の状況は次の通りとなります。

発行可能株式総数:800万株 発行済株式総数:217万8,000株

上記217万8,000株の内訳 取得条項付種類株式:157万8,000株、完全無議決権種類株式:60万株

 

以上、取得条項付種類株式および、完全無議決権種類株式に関して、なぜそのような種類株式等を発行しているのかについてと、個人株主の持ち分を5%以下にしている意味について、ぜひ御社の顧問税理士の方に

聞いてみてください。

この分野はどちらかというと会社法に詳しい弁護士の分野となりますが、税理士も最低限知っていなければ

ならない事だと私は考えています。

 

応援しています。

 

令和6年5月吉日

有限会社エフピーマネジメント 代表取締役 大友 一夫

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