非公開会社(同族会社)で「少数株主」がなぜ生まれしまうのか、その理由から考えていきたいと思います。
① 同族会社の役員に非同族の社員を昇格させるにあたり、経営陣に加わることへの
モチベーションアップのために株を渡すため。
② 株主(社長)の相続にあたり、子供たちに平等に財産を相続させてしまったため。
③ 以前は会社設立時に7人の株主が必要だった名残りが、会社法改正後もそのままとなっているため。
などの理由が考えられます。私が今までお付き合いしてきた経営者の方々にも上記のような理由で安易に
株を分散させてしまい、株を引き継いだ息子さんが大変苦労されているケースを散見してきました。
創業者の方がご存命中であれば、一般的に少数株主の問題は表面化しにくいのですが、
現在、大都市を中心にこの「少数株主」の問題が大きくクローズアップされ、それにより後継者である
息子さん・娘さんが大変苦労されているという噂がよく聞こえてくるようになりました。
それはどういう問題かと申しますと、最近この少数株主を活用するため、「少数株主を支援する弁護士」や、「譲渡制限をされている株式を購入する買取業者」等が存在し、
これが会社経営に重大な影響を及ぼす事例の増加に繋がっているのです。
皆様の中には、自社の株式は譲渡制限がされているので承認さえしなければ譲渡できないだろうと
お考えの方が非常に多くいらっしゃるかと思いますが、現実は譲渡できます。
そのスキームは以下の通りとなります。
- 譲渡制限株式の譲渡手続き
譲渡承認請求(株取得者) |
⇩
承認機関(取締役会等) |
⇩
NO |
⇩
2週間以内に承認しない |
⇩
YES |
⇩
請求者が買取先指定請求 |
このように譲渡制限の承認機関(取締役会、株主総会等)が承認しないと決定し、少数株式を買い取った
業者が請求から2週間以内に承認しない旨の通知を受け取った場合、譲渡請求の際に買取先指定請求を
行います。こうなると、確実に会社(金庫株)か指定された方(社長)が買い取ることとなります。
またその際、金額に折り合いがつかなければ裁判所での決定となり、
この場合の金額は【1株の純資産額✖株式数】という高額な金額となることが考えられます。
以上のことから、同族間でも同族外でももし「少数株主」が存在しているのであれば、1日も早く、現社長の
目の黒い内に対処しておかれることをお勧めいたします。
尚、より詳しくお知りになられたい方はお問い合わせホームよりご連絡ください。
応援しています。
令和5年5月吉日
有限会社エフピーマネジメント 代表取締役 大友 一夫