会社の資産は、貸借対照表の左側に記載されています。この資産は利益を稼ぐ手段・道具としてもっているものです。会社で所有する名画・投資株券等は、利益貢献に役立っているでしょうか?真の経営者は利回りの高さや少ない資産で高いリターンを得ることに注意を払っているものです。
健全な財務体力を目指すのであれば、左側の資産は価値のある資産でなければなりません。持っていて、お金ばかりかかり利益貢献に役立っていないのであれば、すぐに処分なされる事をおすすめします。
しかしこれがなかなか難しく、言葉でいうほど簡単ではありません。
なぜならば、私も経験していますがいつか役立つ、いや必ず役立つ時が来るのだと思うのが人間の性だからです。しかし、資産の中身は負の資産ではなく、いきいきとした価値ある資産でなくてはなりません。
社長様は決断をする事が仕事です。ぜひ年に一度位、貸借対照表の資産を点検して下さい。必ず負の資産があるはずです。そして処分して下さい。その決断は社長様しか出来ません。そして早く健全な体力のうちに処分してください。特別損失として処分することで、法人税が軽減されます。それは健全なときにやるべきなのです。
その資産の代表例が土地です。土地は何故か皆さま持ちたがります。何故か?今、皆様はもうお思いではないでしょうが、昔から日本では土地神話というものがありました。土地は上がることはあっても、下がることはないという神話です。今は一部の地域を除いて、下がる事は当たり前となりました。また、銀行融資を受ける時の担保になるからということもありました。しかし、現在から将来にかけては銀行融資も連帯保証人・担保があるから融資が出来るというスタンスではなくなっていきます。あくまでも本業の将来性・可能性に融資するというスタンスになっていくと私は確信しています。その為には負の資産は足を引っ張る事はあっても、何も会社のためにはならないと言えると思います。
事業に必要な土地はもちろん残して下さい。なぜなら利益を稼ぐ手段の道具となっているからです。
問題は、現在使っていない土地(遊休不動産)です。将来の事業拡大の為に利用する目的で持っているなら良いのですが、目的なく持っている土地はありませんか。その土地は簿価より安くなっても(ただ高く売れる努力はする)売却し、特別損失で処理しましょう。安く売った売却代と売却損で法人税約35%で回収出来ます。実行した後は、その全額を借入金の返済に充てましょう。そうする事で総資産合計が少なくなり、自己資本比率が上がっていくかもしれません。
応援しています。