オーナー経営者・資産家のためのお役立ち情報

友人・親族・関係先からの借金の申し込みを断る ~連帯保証人には絶対にならない~

企業のB/Sを見ていると、短期貸付金や長期貸付金という項目が何故か目につきます。

そして、それらは短期・長期に関わらず、まったく減額していないことが多いものです。

 

成長過程において人柄の良さ、情の強さで今日の地位を獲得された方もいらっしゃる。しかし、その一方でその情が仇となり企業を傾けた方もいらっしゃるかと思います。

私の顧客様にI県M市のA社という法人がございます。そのA社の社長はK社長と申され、

本当に人柄が良く、情に強い方でした。

その方より、10年ほど前に私の携帯電話へ連絡がございました。相談があるとの事で、K社長のお話を

じっくりと聴きました。その相談の内容は、A社の前会長であられるK社長のお父上が、新法人を立ち上げ、

太陽光発電のメガソーラー事業を行うという事に関してでした。その当時、K社長のお父上は75歳ぐらいで、流石A社の創業者であるK社長のお父上は事業意欲があり素晴らしい!と思ったことを覚えています。

その後のK社長の話を聞くまでは!!

 

K社長-「相談というのは、その父が行うメガソーラー用の借入金の連帯保証にA社になって欲しいとI銀行から言われており、その金額は4億円です。大友さんはどう思われますか?」

大友-「K社長、お父様には大変申し訳ございませんが、お断りすべきです。4億円の借入金(連帯保証)くらいで御社はびくともしませんが、万が一の時、その借入金の返済に関して他の幹部・社員の方へどう説明なさいますか?下手すれば、優良会社である御社も傾くことがあり得ます。絶対にA社で連帯保証をしてはいけません。お父様だけの連帯保証で4億円の借入が出来ないのであれば、致し方ないと思います。」

K社長-「実は、私もそう思っております。大友さんからのアドバイスで心が決まりました。連帯保証の件は、父・I銀行へ言って断ります。」

 

その後この10年間、メガソーラーの経営は減価償却もあり順調ですが、K社長のお父様は85歳となられ

施設に入っております。今後の10年間はその減価償却も減少し、法人税の支払が発生して参りますので、

借入金返済のキャッシュフローは詰まってくることが予想されるとK社長は私に話をされています。

最後に、そのK社長は4兄弟の次男で、メガソーラー事業は長男さんが行っているそうです。

お父様に万一が起きた時、K社長と三男の方は相続放棄する予定です。非常に辛いことだと思います。

 

応援しています。

 

 

令和5年9月吉日

有限会社エフピーマネジメント 代表取締役 大友 一夫

関連記事