今月は、以前ご紹介させていただいた2026年度税制改正大綱において不動産小口化商品と、
貸付用不動産の相続税評価方法を厳格化する方針が示されましたので、そのことについて詳しく書きたいと
思います。もうすでに顧問の税理士などから説明されていると思いますが、そのオーナー様におかれましては
再確認としてもお読みいただけると幸いです。
ただ、まだ特別国会が開かれておりませんのでこの税制改正大綱の内容がそのまま成立するかどうかは
分かりません。過去の経験からしますと、余程のことがない限りそのままいくのではと思いますが、
この事をお含み置きの上お読みいただけたらと思います。
今回の不動産相続改正の目的は、相続財産を評価する際に、土地・建物などの不動産が現金等に比べて評価額を低く抑えられる傾向を解消する事にあると考えております。特に相続開始直前に銀行より多額の借り入れを行い、その資金を基に貸付用不動産を購入することにより、極端な場合には相続税額を0円にし、その相続終了後に売却する事案が散見され、その度に国税側は総則6項を使って否認し、裁判等で国側が勝訴する事案が直近でも出ています。この状態だと、納税者側も相続の税務調査が無事に終わるまでどうなるのか心配になり、国税側は総則6項を発動するのに相当なエネルギーを必要としていました。何せ総則6項発動の場合は、国税側が納税額を決定しますので、そのために不動産鑑定、借入先銀行への反面調査等を行い証拠を集めて
いくのですから。特に、銀行借り入れの稟議書に相続税対策等の文言が書いてあると納税者側は恐らく
100%否認されてしまいます。
このような状態を国側も解消したいと思ったのでしょう。そのため、貸付用不動産に対する「保有期間」に応じた評価の見直しをすれば、相続開始直前の節税策を防止できると考えたのだと思われます。
そこで、今後の対策としては第一に保有期間の徹底管理です。取得から5年を超えるかどうかで貸付不動産に
かかる相続税負担は激変します。しかしながら、相続発生のタイミングはコントロールできるものではないため、より早期の相続対策への着手が重要になったと言えると思います。
さらに、今後は収益性の低い節税物件を整理し、資産の流動性を高める「攻め」の視点も重要になると
思います。節税という守りに固執せず、キャッシュフローを重視した健全な資産構成へシフトしていくことが予測不能な税制改正に対する防御策になると考えます。
最後に、2027年度の税制改正では「取引相場の無い株式」の評価に対して税制改正があるかもしれないと、私は思っております。あくまで私見ではございますが。
応援しています。
令和8年2月吉日
有限会社エフピーマネジメント 代表取締役 大友 一夫

