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決算申告時は過去思考だけで追われない

決算申告書とは、時間軸で考えると過去の数字を集計したものです。決算申告書の提出期限は期末から2ケ月以内と法律で定められています。

「会社の前に社長個人を強くせよ」「社長のお金は会社を守る最後の砦」と私は考えておりますが、具体的には役員報酬、社長がいかに賢く会社から給与をもらうか、これが大事になります。

その中で、役員報酬は法律的に見直しをする時期は年1回だけです。それは期首から約2~3ヶ月後の株主総会で新たに決めることにより、見直しができると税法上定められています。

この期首から2ヶ月間は、決算申告書の提出期限と重なります。期首から2ヶ月間の現場の経理担当者、会計事務所の動きはかなり忙しくなり、例えば半年前のこの取引はどんな内容だったのかを過去に遡って、領収書、請求書をチェックすることが往々にしてあります。

つまり、決算申告時、期首から2ヶ月間の経理担当者、会計事務所の頭の中はすべて過去思考で追われているわけです。実はこれが社長の給与、役員報酬を決める際の大きな落とし穴になることがあります。この役員報酬の見直しができる年1回のチャンスを過去思考だけに追われてしまい、役員報酬の見直しがなされないまま、また翌期に従来と同じような形で、なんら戦略性なく役員報酬が決められることがあります。これでは賢くお金は残せません。

こんな話があります。
「普通の人間の頭の中」は   過去・現在・未来がそれぞれ30%から40%。
「伸びない人間の頭の中」は過去レベルが50%以上、現在は30%から40%、未来は20%以下。
そして、「伸びる人間の頭の中」は過去レベルはわずか10%以下、現在は30%から40%で、未来レベルになると60%以上を占めると言われています。

会社を伸ばしている社長を思い浮かべてほしいのですが、そういう社長に共通して出てくる言葉は
「3年後に売上を2倍にしたい」
「3年後に営業利益を3倍にしたい」
「来年は社員を新規で5人投入したい」
と未来レベルの話だと思います。ぜひとも決算申告時、期首から2ヶ月間は過去思考だけに追われるのではなく、向こう1年間の売り上げと利益を精度高く予測する。その上で、一体いくら役員報酬を取れば会社と社長個人トータルで考えて税金が安くなるのか、という観点を持って欲しいと思います。

具体的な数字で会社の利益がいくらで、役員報酬をいくら取れば税金が一番安く抑えられるかは、ご相談下さい。社長様と一緒に考えて行きたいと思っています。

2020年1月吉日

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