オーナー経営者・資産家のためのお役立ち情報

知っている社長は銀行員から一目置かれます ~社長様と顧問税理士からの知名度はイマイチ~

明けましておめでとうございます。本年も皆様のお役に立つ情報をお届けするよう邁進して参りますので、

引き続きご愛顧いただきますよう宜しくお願い申し上げます。

 

新年一発目は、銀行が非常に重要視している指標についてのお話です。それは「経常収支比率」という指標です。その目的は融資先企業の ①資金繰り状況の把握、②粉飾決算のチェック という事になります。

この指標を御社でも過去5期分くらい用意し、顧問税理士に依頼して計算してみて下さい。

その結果、100%以上の場合は勘定合って銭も十分ですが、100%未満の場合は

勘定合って銭足らずという状態です。俗に言う黒字倒産の前兆となっていきます。

また、粉飾決算を行っていることもバレてしまいます。粉飾決算の90%以上は在庫の調整です。

10年程前にご相談いただいた法人がありました。その法人は不良在庫と架空在庫が合わせて8,000万円程ございました。そのため銀行から既存借入の早期返済を求められており、私へ相談がございました。

私は決算書を見せて頂き一目で在庫の異常値に気付いたため、詳しくお話を聞いたところ、

黒字を出すために在庫調整をしているとの返答をいただきました。そこで、顧問税理士からはどのように

アドバイスを受けているのかを確認したところ、何のアドバイスも無いとのことでした。それであれば

この粉飾は一切やめて、一気に赤字を出し銀行に正直に話しましょうというアドバイスをいたしましたが、

この法人の社長はそんなことをしたら銀行に何を言われるか分からないから出来ないと拒否されましたので、それでは私からアドバイスすることはないことをお伝えし、その会社を去りました。

ただ、最後に顧問税理士は変えた方が良いでしょうと一言だけ申し上げました。

後から聞いた話によると、その後顧問税理士を変更し、M&Aで大手メーカーに買収され、

社長は数億円そこそこの現金を手に入れ、今は雇われ社長としてその会社に勤務されているようです。

運が良いのか悪いのかは分かりませんが、その当時の社長の心情を察するに、毎日ビクビクしながら経営を

されていたように思います。会社の雰囲気も澱んでいて、気分が悪くなったことを覚えています。

皆様の会社ではこのような粉飾は行っていないと思いますが、この「経常収支比率」が100%未満に

なっていると銀行からこのような疑いをかけられてしまう恐れがございますので、この「経常収支比率」が

100%以上になるよう経営を行っていただければと思います。

 

最後に、「経常収支比率」と「経常損益比率」との差異がどれくらいあるのか、顧問税理士に計算を

依頼してみて下さい。

 

応援しています。

 

令和6年1月吉日

有限会社エフピーマネジメント 代表取締役 大友 一夫

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