未だコロナ禍が収まらず、不安定な日々が続きますが皆様は前向きに経営を行っているものと思います。
今月からは、私の本業でもある「財務」について、全21回のシリーズでニュースレターを書いていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。
第一回は、「財務のことは経理に任せてはいけない」をテーマにいたします。
私は、社長様に質問することが最低3つあります。
- 御社の借入金について、◎借入銀行数、◎短期、長期の内訳、◎年の返済額を伺う事が多いのですが、手元に資料を用意し答えてくれる社長様は必ずしも多くありません。
- 2番目は、御社の年間の固定費(人件費他経費の合計)を伺いますが、やはり即答される社長様は少数派です。
- 3番目に必ず聞く事は、法人で所有する土地の有無です。お持ちなら、簿価と時価の差額を把握していらっしゃるか、含み損または含み益であるかと聞きます。今までお会いした社長様で即答して下さった方は残念ながら皆無でした。
ここで気づいていただきたいのですが、この3つの質問のうち、皆様が大好きな損益計算書に関する質問は②のみで、残りの➀と③は貸借対照表に関する事となります。
その中で➀は資金調達先である負債に関することで、③はその運用先である資産に関する事です。
今から10年程前に初めて訪問したとある法人では、財務担当役員は、資金調達の為の銀行回りが仕事で、お金が足りなくなると借入を行い、その足りなくなった原因を追及するでもなかったので、借入金だけが膨らんでいました。
皆様の会社は大丈夫だと思いますが、上記3つの質問に即答できるでしょうか。
小さい会社の頃は全て把握していましたが、規模が大きくなるにつれて、なかなか把握しきれなくなっているのではないでしょうか。全てを把握するのは厳しいとは思いますが、せめてこの3つ位は必ず把握しておいて欲しいと思います。「経理に聞いてみる」は絶対に禁物です。
それでは今月は概要をお話ししたので、来月からはもう少し詳しくお話ししたいと思います。
応援しています。